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障がいのある方の心のケア4~見せかけの行動と心の中2~

こんにちは、永井です。
前回の「障害のある方の心のケア3」では、
【見せかけの行動】の中には、【本音の心】があると説明しました。

「でもうちの子の問題行動は、どう見ても本当は頑張りたいなんて、思ってないのでは…?」
と、お考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、どんなに重い障がいを持っていても、
たとえ言葉が話せなくても、
『年相応のことがしたい、頑張りたい』という向上心を、
皆さん持っているんですよ。

ただ、障がいを持つ人はその向上心をなかなか見せれない方が多いのです。
そのことを、次のお話しのAさんでご紹介しますね。

障がいを持つ成人のAさんのお話ですが、
Aさんは、よくものを投げてしまうことがあります。
大きな物音を聞いたり、イライラしたり、緊張すると
そばにあるものを投げたり、蹴ったりしてしまいます。

私たちは、Aさんは怖い気持ちになった時、
物を投げて気持ちを発散する技を身に着けてしまったんだね…
彼はそれですっきりすんだ。
困った問題行動だね…
と感じていました。

ですが、体のお話しや筆談で彼の心を聞いていくと、
我々の考えとは少し違っていました。
彼は、『本当は、ものなんか投げたくない。
皆を困らせたいんじゃないのに、
困ったとき、勝手に体が動いてしまう。
どうか、僕を止めてください』と伝えてきました。

Aさんは、見かけは物を投げることで発散しているように見えますが、
実は、「こんなことやりたくない、誰か助けて」
と思ってたんですね。

障がいを持つ方は、時に、このように、
心で思っていることと、全く別の行動をとってしまうことがあります。
それはとても不自由なことで、
そのとってしまった行動でまた自分を責めてしまい、
どんどん自己否定(自分はダメだ・・自分なんて生まれてこなきゃよ方・・と思うこと)してしまうことがあります。
その自己否定の感情は、
本来持っているその方の頑張りたい気持ちを、くじいてしまうこともあります。

Aさんもその不自由な体で、みんなに誤解されながら、
ずっと生きてきたんだなと思うと、
切なくなります。

その後、Aさんに、「やりたくない行動をとろうとするときは、しっかりとめていくね。」
と約束して、それを実行していきました。
イライラしているなと感じたときはそばに寄り添い、
投げようとしたときにその手を持ち、「ドキドキするね、イライラするね」と、
Aさんの心の中を代弁することを繰り返しました。
その結果、今ではすべての時ではありませんが、
イライラしてきたら、自分から私たちの手を取って、
持っていてほしいと伝えてきてくれるようになりました。

Aさんの心には、ちゃんと頑張りたい、
物を投げないで立派に過ごしたいという向上心がありました。
ただ、自分一人では、どうしてもその向上心を前面に出すことが難しかったんです。

そんな時こそ、『心のケア』が重要になってくるんだと思います。
誰かにお手伝いしてもらいながら、
立派に向上心を立たせれたら、とてもいいですね。
我々も、そんな風に、障がいを持つ方のお手伝いをしたいと思っています。

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障がいのある方の心のケア3 ~見せかけの行動と心の中~

こんにちは、永井です。
前回までの、『障害のある人の心のケア』では、
障がいを持っている人の心や体をご説明しました。

『でも、理屈は分かるんだけど、うちの子はぴょんぴょん飛んだり、
急にパニックを起こしたりして、
心の中に何があるのか、想像もできないわ』

とおっしゃる方がおられるのではありませんか?

その通りなんです。
障がいのある方の行動は、
本当の心とは全く違う行動をしてしまうことがよくあるんです。

このことを私たちは【見せかけの行動】と呼んでいます。

私の自閉症を持つ息子は、
運動会前、よく不穏状態になっていました。

運動会の練習が始まると逃げてしまい、
音楽も聞きたがらない、
参加させようとすると、暴れたり、
支援学級に入って出てこなくなる。
おまけに家に帰ると、グダグダといい、
ちょっと気に入らない音がするとパニックを起こし、
暴れたり物を壊す。

どう見てもうちの息子は運動会が大嫌いにしか見えません。

先生と「あの音楽が嫌なのか」
「この位置や音が嫌なのか」「視覚支援が足りないのでは?」
といろいろ作戦を練ってみても、
全くダメ。

そこで、体のお話しや筆談などを使って話を聞いてみると、
『本当は、運動会を頑張りたい。でも自信がないんだ』
と伝えてきました。

運動会が大嫌いに見えた息子の
【見せかけの行動】は、運動会が大嫌い、やりたくない
だったのですが、
【本当の心】は、運動会を頑張りたい、でも自信がないよ

だったんです。

その後、先生方のご協力や、
セッションで励ましたりしながら、
出番は少ないですが、なんとか運動会を頑張りました。

運動会が終わった後の息子の自慢げな顔は、
忘れられません。


障がいを持つ方が心の中で何かを感じたとき、
それを人に伝えたり、
『怖いよ、不安だよ、苦しいよ』
と誰かに愚痴ったりできればいいのですが、
障がいを持つ人は、それが苦手な人が多いです。
ましてやコミュニケーションや社会性の問題があると指摘されている私の息子は、
なかなか人に伝えることができません。

そこで彼らは、なんとか自分でしなくちゃと頑張ります。

この波が立つ心を、
自分で何とかしなくちゃと、
こだわりを強くしてみたり、
飛んだり跳ねたり、動き回ったりしてみたり、
自分を傷つけて見たり、暴れて見たり、
いろいろな方法で頑張ります。

でもどうにもならず、
ましてや暴荒れたりして人に迷惑をかけてしまうと、
ますます心が苦しくなり、
もっとなんとかしなくちゃと頑張ります。
でもどうにもならず…

と、苦しい心の無限ループに入ってしまうことがよくあります。

どうしても我々は、見せかけの行動に振り回されがちになってしまうのですが、
この派手な見せかけの行動の中の
大切な心や気持ちがわかったら、
お互いもっと、幸せな関係が作れますね!

その幸せな関係を作るために、
心のケアは大切だと感じています。
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障がいのある方の心のケア2 ~体のお話し~

こんにちは、永井です。

今日は、「障害のある方の心のケア・パート2」をお伝えします。

 昨日は、どんなに障害が重くても、
心はとってもおしゃべりですという話をしました。

でも、「言葉をしゃべれない人は、どうやっておしゃべりをするの?」
と思われますか?

心のケアでは、障害のある方とお話をするのに、
体の会話(体話)を使うことがあります。

『体の話…?』
と、意味が分からない方も多いでしょう。

実は、心と体はとてもつながっています。

例えば、とっても緊張する場面の後、
肩が凝っていたことに気付いたことはありませんか?
これは、無意識のうちに、緊張場面に肩に力を入れて、心を保っているんです。

また、とっても恥ずかしい場面で、顔が赤くなったことはありませんか?
別に頭の中で、
『恥ずかしいから、顔を赤くしろ!』
と考えないですよね。
これも無意識に体が場面に反応しています。

リラックス場面では体の力が向け、
大好きな人の前では、心がドキドキします。

このように、心と体はとても密接につながっており、
私たちの体も、実は、とてもおしゃべりなんです。

『心のケア』では、このおしゃべりな体を使ってお話しすることがあります。

例えば、一人でぽつんと立っているのに、
雰囲気は、とても緊張して見える人がいます。
肩にそっと手を置くと、肩にとても力が入っています。
「もしかして寂しいの?」
と聞くと、肩にますます力が入ります。
「そうだよね、一人でいたらさみしいよね。本当はみんなと一緒にいたいのに、緊張するよね」
と、その方に共感しながら肩の反応を見ながら会話していきます。
肩でしばらく話をしていると、
すとんと力が抜け、みんなのところに行けたり
また違う行動をとれたりすることがあります。

また、パニックを起こしている方に、
手や足で会話することもあります。
「苦しいよね、本当は頑張りたい気持ちがあるのにできないって、本当に苦しいよね」
という風に、その時の状態から予測した心を代弁してみると、
とても反応して、手や足を強く動かし、
まるで、『そうなんだよ!それが苦しいんだ』と、
体で話をしてくれます。

『心のケア』では、そうな風に、
体を使った話をとても大切にしています。

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障がいのある方の心のケア1

ハンデ♡サポの永井です。
今日は、障がいのある方の『心のケア』の話をします。

『心のケア』と聞くと、「何か傷ついた心を癒すものかな?」
とお考えになりますか?

実は、障がいを持つ方の心の支援全般を、私たちは『心のケア』と呼んでいます。
心のケアについて語るため、私の息子の話をさせていただきます。

私の中学1年生の息子は、自閉症という障害を持っています。

息子は小さいころ、パニック・自傷・こだわりがとても強く、
何とかしてあげないとと、
TEACCHやabaや特殊教材などを一生懸命試しました。
保育園の先生や小学校の先生などにも協力をお願いして、
「目でわかる支援」を行ってきました。

でもなかなかうまくいかない・・
分かってはいるみたいなんだけど、教材をもっとわかりやすく改良しても…
なかなか、前に進みません。

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私はその頃、七野友子先生の開催する『ゆうゆう言葉の教室』に通いだしました。
ここは、障がい特性に応じた療育を提供する場です。
そこで、七野先生の指導を受けながら、
私はあることに気が付きました。

『息子は自閉症だから視覚支援をしたら、勉強するようになる。
行動できるようになるはず。」
と思い込んでいたということに気が付きました。


でも実際は、本人が理解できる教材であろうとも、
スケジュールで次の予定がわかろうとも、
本人の心で、「出来なかったらどうしよう。じしんがないよ。やりたくないよ」
と感じていたら、前に進むことは困難です。

息子は、その頃、言語もなく、笑いやパニックでしか感情を表現しなかったので、
彼にそんな心があることに気が付かなかったのです。

どんなに重い障がいを持っていても、
何かを感じて揺れる心、
嬉しいと感じそれを人と共有したい心、
怖いと感じ誰かにすがりたい心、
たくさんのおしゃべりな心があります。

ただ、多くの障がいを持った方は
その心を伝える手段を持たないが上に、
心をわかってもらうことをあきらめ、
なんとか自分で頑張らないとと思っています。

息子は、「自信がないよ」という
心を伝えられない為に、
なんとか自分自身で頑張らなきゃと行動し、
うまくいかず自己嫌悪に陥り、
体がコントロールできなくなり暴れてしまう。
暴れてしまった自分に、また自己否定が加わり余計混乱してしまう、
その繰り返しだったように感じます。

息子の「自信がないよ」という心を慰めたり、
支えたりするうちに、
息子の心は、どんどん成長していきました。
今は、いろいろな問題を起こしながら、
中学校に頑張って通っています。


『心のケア』とは、障がいを持った方との心のやり取りを通じて、
その方が、生き生きと自信を持って生きるための心のお手伝いをいいます。

心のやり取りの方法は、
日常の何気ない会話でもいいし、
特別な時間を設けたセッションでもいいし、
筆談によるものでもいい、
また手や体のお話しでも何でもいい。
そこから生まれた心の反応を見る。
それにこちらががまた反応する。

そんな風に、『心のケア』は進んでいきます。

初めまして、ハンデ♡サポです。

こんにちは、
ハンデ♡サポの、永井です。

   障がいを持つ方が、
自分らしく生き生きと生活できる。

そして周りの人が自然にサポートしながら
ともに楽しく歩んでいける 


ハンデ♡サポは、
そんな社会つくりを目指しています。


そのために、
障がいを持つ方への対人援助技術、
『心のケア』を中心に、
障がいを持つ方の支援方法・技術を
たくさんの人に知ってもらう活動をしていきます。

障がいを持つ子供の親御さん、
障がい児者福祉関係のお仕事をされる方、
学校の先生など、
たくさんの方のご訪問お待ちしております。

空



プロフィール

NPO法人Cheri

Author:NPO法人Cheri
NPO法人Cheri(シェリィ)は、支援が必要な高齢者や障がい者の方々が、生き生きと自分らし生活が送れるように、個人の尊厳と心を尊重した福祉サービスの提供や心の支援を行います。

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