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障がいのある方の心のケア14 ~心棒(大人心)とぐちゃぐちゃな気持ち2~

ハンデ♡サポの永井です。

前回は、心の中にぐちゃぐちゃな感情がたまってくると、
本来持っている、こうなりたい・こう頑張りたいと
現実に立ち向かっている心棒(大人心)が隠れてしまうことがあるというお話をしました。


心棒が隠れてしまって、ぐちゃぐちゃに振り回された状態
ぐちゃぐちゃ無題


例えば、Yさんは、とても仲の良いАさんという友達がいました。
ですが、別の友達から、『AさんがYさんの悪口を言っていたよ』と聞きました。
その日からYさんは、Aさんを無視したり、Aさんの悪口を言ったりしました。
でも心はすっきりするどころか、ますますしんどくなりました。
これは、どういった状況かというと、

0c8e03c860cf165425ff22455adf39ee.png



Yさんの心の中は、友達に対しての猜疑感や、
悲しみ、友達をなくす不安感、どうしようもない憤り感などによって、
ぐちゃぐちゃな気持ちが膨らみ、
本来心の中に凛として存在するはずの『友達が大切』という心棒が、
すっかり隠れてしまっています。
そのため、そのぐちゃぐちゃに振り回されてしまい、
友達を無視したり、悪口を言ったりという、
イライラを人にぶつけてしまう結果になったんです。

その後、Aさんが悪口を言っていたという誤解が解けました。
Yさんは、Aさんに謝って仲直りをし、
2人は、以前にもまして仲の良い友達になりました。
これは、どういったことかというと

隠れてしまった心棒



Yさんの心の中のぐちゃぐちゃがすっかり晴れ、
もともとあった心棒が前面に出てきました。
そのため、Yさんの理性、優しさにあふれた行動がとれるようになったのです。

ここで大切なのは、どんなにぐちゃぐちゃに心が占領されて、
その気持ちに振り回され、
イライラして物や人に当たったり、
人にひどい行動をとってしまったり、
あたかも【 心棒 】がないような行動をとってしまっていても、
【 心棒 】は、心の中にしっかりとあるということです。

今回は、我々の行動を「心棒とぐちゃぐちゃ」で説明しました。
次回は、障がいを持つ方の心はどうなっているのかということについてご説明します。

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障がいのある方の心のケア13 ~心棒(大人心)とぐちゃぐちゃな気持ち1~

今日は心の中の『大人心』と『ぐちゃぐちゃ』について説明します。

私達は、心の中に「こうありたい、
こう頑張りたい」と思う 【 心棒 】 というものががあります。

例えばお母さんなら、
子供たちを愛情を持って育てていきたいという【 心棒 】があり、
お父さんなら、家族を養うために頑張って働きたい、
または、会社に必要とされる社員になりたいなどと思う【 心棒 】があります。
小学生なら学校で立派に勉強したいと思う【 心棒 】があり、
看護婦なら、患者さんを助けたいと思う【 心棒 】があります。

これは、いわゆる大人心で、子供ならお兄ちゃん心とでもいうのかもしれません。
下の図の丸は私たちの心を表したもので、中の四角が【 心棒 】と思ってください。

心棒


サポート優&遊の『心のケア=対人援助技術』の中では、
【 心棒 】について、こう話しています。

心の中には、とてもしっかりとしていて、
現実に主体的に対応できる部分があります。
それを図では、棒で表します。
棒は、心の中で、すくっとまっすぐに自分を立たせる気持ちです。
自分の理性、思考力、知恵を働かせ、
現実に立ち向かえる力です。

その一方で、私たちの心の中には、
感情やストレスのもやもや(ぐちゃぐちゃのなぐり描き部分)があります。
心の中には、常に【棒】【ぐちゃぐちゃ】の両方が同時に存在しているのです。

別にしたもの


例えば、お父さんなら、家族のために頑張って働きたいと思う【 心棒 】とともに、
もっと休みがほいいな、ゆっくり休みたいと思う【ぐちゃぐちゃ】が同時に存在します。
また小学生なら、頑張って勉強して立派なお兄ちゃんになりたいと思う【 心棒 】と、
もっといっぱい遊びたいよと思う【ぐちゃぐちゃ】が同時に存在します。

この【ぐちゃぐちゃ】は決して迷惑な存在ではなくて、
その人の体を守ってあげようとする大切なものです。

しかし時として、とても悲しいこと、苦しいこと、大変なことなどによって、
感情やストレスがたまり、
このぐちゃぐちゃが心いっぱいになり、
【 心棒 】をかくしてしますことがあります。

ぐちゃぐちゃ無題


そうなると、本来心の中にある【 心棒 】が隠れてしまい、
ぐちゃぐちゃ、もやもやな気持ちに、心が振り回されてしまうことになってしまいます。

次回はこの心の中の心棒とぐちゃぐちゃな気持ちについて、
もう少しお話ししますね。

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障がいのある方の心のケア12 ~身体障がいのある方の心のケア2~

前回は、身体に障害があるFさんの心のケアに至る経緯を書きました。
今日は、その続きをお話しします。

Fさんのセッションは、
入所に対して、予測できる心細い、不安だという気持ちを慰めることと、
Fさんの表現できない心を知っていくという内容でした。

その中で、Fさんが、
『自分は生まれてこなかったらよかった』
『お母さんやみんなに迷惑をかける存在』

と、考えて苦しくなっていることがわかりました。

身体障がいを持って生まれた方は、
生まれてからずっと、誰かのお手伝いが必要な方が多いです。
特にFさんのように、呼吸することも、食べることも自分ではできない、
また、入所という形で親しい人と離ればなれになってしまう
今までの生い立ちと、現在の状況から、
自分の生まれてきた意味を見つけられず、
自己否定が強くなり、
自分はみんなに迷惑をかける存在で、この世に生まれてはいけないんだと、思ってしまっていたんですね。
また、自己表現にハンディがあり、自己否定が強い方は、
何かつらいことがあっても、
それは自分が生きているための罰だと感じ、
すべてをあきらめて受け入れることが多いです。


Fさんには、自己尊重のための心のケアとして、
葉祥明さんの著書、『生まれてくれてありがとう』を朗読しました。
この本は、障がいを持つ子供を持ったお母さんが、
子供に、感謝とたっぷりの愛情を表現した、とても素敵な本です。

そして、Fさんが生まれてから今まで受けてきた愛情や、
Fさんが、たくさん人に与えてきた素敵なもの、
そして、こんなに周りに人がたくさんいる。
そしてそのみんなと、たとえ離れても、
心は離れないでつながっていることを確かめて、
セッションを終了しました。

人の人生は、川の流れのように、前に進んでいきます。
そして私たちはその流れに流されたり、逆らったりしながら、どんどん先に進んでいます。
たとえその先が、自分の望んでいない不本意なことだったとしても、
我々はその先に進まなくてはいけないときがあります。

kawa.jpg


人生の中の、不本意だと感じることを、
自分が生まれた罰だからしょうがないと諦めながら、受け入れることと、
自分は一人ぼっちではなく、誰かと支えあう素敵な存在なんだと感じながら、
人生の中の不本意な流れを受け入れる
のとでは、
生きている意味が変わってきます。

自己表現にハンディのある方は、前者がとても多いのですが、
心のケアでは、後者の自分を肯定した心を持って人生を進んでいけるように
支援していくものだと思います。

障がいを持つ方が、かけがえのない一人の人間として、
尊重できる社会になってほしいと思いました。

障がいのある方の心のケア11 ~身体障がいのある方の支援の一例~

こんにちは、ハンデ♡サポの永井です。

今日は、その自己表現にハンディのある、身体障がいを持つ方のお話をします。

私がかかわらせていただいたFさんは、身体障がいを持ち、
加えて、呼吸機能が弱っているために、気管切開をされていました。
気管切開というのは、気管に穴をあけて管を通し、そこで息をするためのもので、
気管に穴をあけているので、声を出すことができませんでした。

Fさんは、とても笑顔の素敵な方で、
職員が話しかけると笑顔で、『はい』という口の形をしながら返事をしてくれていました。
また嫌な時は、顔をうつむき加減にしながら、表現してくれていました。

そのFさんが、家庭の事情で、今自宅から通っている施設から
入所施設に入ることになりました。

入所が決まってから、Fさんから笑顔が消え、
いつもうつむいて、暗い表情をしていました。
そこで、Fさんを心配した職員が、心のケアを依頼してきました。

職員に聞くと、入所に関しての詳しいことは、
伝えにくく、またどこまで理解力があるかわからないため、
Fさんにはあまり話をしていないとのことでした。

そこで、最初のセッション時、入所に至った経緯や入所後の生活などについて、
詳しく説明してもらいながら、
Fさんの体の反応を見ていきました。
最初Fさんに触れたとき、とても固い印象がありました。
肩、首、背中、足、すべてを緊張させ、
悲しみや苦しさを我慢しているような印象を受けました。

セッションに関しては、次回にアップさせていただきます。

162.jpg

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障がいを持つ方の心のケア10 ~障がいを持つ不自由さ~

こんにちは、ハンデ♡サポの永井です。
今日は、障がいを持つ方の不自由さについてお話しします。

『ハンディのある方の心のケア』を推進する活動をされている
【 さぽーと優&遊 】は、たくさんの人に心のケアを知ってもらうために、
『心のケア』に関しての本を出版しています。
その中の、
「 “心のケア”=対人援助技術 」と、
kokoronokea.jpg

「 自己表現にハンディのある子供の心のケア 」

kodomo.jpg

から、抜粋した文章の紹介に、私なりの説明を加えて
障がいのある方の心を知ってもらいたいと思っています。


「自己表現にハンディのある子供の心のケア」の冒頭に、こんな文章があります。

ハンディを持つ人たちは、なんと誤解を招きやすい人たちなんだろうとつくづく思います。
自閉症とか、ダウン症とか、様々な診断名が付きますが、
概してこの人たちは、自己表現に不自由さを抱えている人たちである、
という印象を持っています。
健常な人たちと同じように、いろいろなことを感じたり、考えたり、また願ったり悩んだりする内面世界があるのに、
それを表現したり、実行したりすることに、
とてつもなく大きな不自由さを抱えているため、
彼らは、その内面世界が、ほとんどないかのようにみられてしまいがちです。
そこでこの人たちを、
「自己表現にハンディを持つ人たち」と呼びたくなるほどです。


私は、初めてこの文章を読んだとき、
「自己表現にハンディを持つ人たち」という表現は、
障がいを持つ人たちを、的確に表現した言葉だなと感心しました。
一つ、事例を挙げて見ます。

障がいを持った成人の女性、Cさんが、施設に通っていました。
その施設には、とても優しくて素敵な男性職員がいて、
何人かの女性利用者はその方がそばにいると、とても嬉しそうにしていました。

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Cさんも同様に、その男性職員がそばにいると、とてもにこにこしていました。

でも、その男性職員はCさんだけを見るわけにはいかず、
А君も、Bさんも、みんなとともに過ごさなくてはいけません。

そのうちCさんが、ほかの職員をたたくようになりました。
職員は、なぜそんな行動に出るのか、理解ができませんでした。
何を怒っているのか…
もしかして男性職員を一人占めしたいのか…
 
unhappy_woman3.png

そこで、心のケアのセッション(特別な時間を作って、ゆっくりと話をする)を行いました。
その中で、体を使ったお話しや、筆談によってCさんの心を聞きました。

『うらやましい・・』
『ほかの人は、たくさんお話をする』
『私は伝えられません』
『大好きって言いたい』

Cさんの心は、こんな気持ちだったんです。
でもCさんの行動からは、そんな風には見えませんでした。

Cさんの内面世界は、人を好きだという気持ちと、
お話ができる人へのあこがれ、
話せない自分の悲しさなど、
たくさんの気持ちがあったのですが、
それを表現することができなかったんですね。

障がいを持つ方は、
自己表現の不自由さがあるために、
内面世界まで疑われる


と、本に載っていました。
この内面世界と表現の落差を埋めるための方法
心のケアだなと思っています。

障がいを持つ方の心のケア9 ~心のつながり~

こんにちは、ブログオーナーの永井です。

私が『心のケア』と出会ったのは、自閉症の息子が5歳のころでした。
こだわりやパニックの強い息子にどうやってあげたらいいのかと、
いろいろと自閉症に良いとされる療育を試したり、
環境を整えたりと頑張ってもどうにもならずなかったとき、
『心のケア』に出会いました。

『心のケア』や『筆談』で彼の心を知り、
それまで、息子の行動からは想像できないことを、
息子は感じ、苦しんでいることに気づきました。
その気付きを基に彼に接し、関わっていくと、
私の心のアンテナがどんどん広がり、
息子の気持ちをキャッチできるようになっていったように感じます。
そしてそれと同時に、伝えることができない気持ちを人にわかってもらい、
その気持ちを共有し、お互いに、
「楽しいね」「悲しいね」「苦しいね」を語り合える喜びは、
息子にとってもとても素敵な安心感や自己肯定感に結びついたようです。

他人と心がつながって、気持ちが分かり合えるということは、
人間が生きていく中で、とても大切なことだと感じています。
それこそが人として生まれてきた、神様の宝物なのでは?と思います。

私が「人の心」を考えるとき、
いつも、広い草原のお花畑のイメージがわきます。

156.jpg


『幸せ』という気持ちが、きれいな花だとしたら、
その花を咲かせるため、
どんな光や水や栄養がいるのかなと、イメージを膨らませます。
そして、今、この心のつながりは、
花を咲かせるためにどんな栄養になるのだろうとか、
今、この心にはこんな栄養がいるのでは・・・
といったようなイメージを持つことがあります。
人の心は、目に見えるものではないので、
分かりにくいものですが、
とても美しく、大切なものですよね。

今、話してきた人との心のつながりは、
私の息子のような障害を持つ人だけが
特別大事というわけではありません。

生まれたての赤ちゃんはどうでしょう?
赤ちゃんは言葉がつかえません。
心を上手に伝えられなくても、心の中はたくさんの感情があります。
「ママ大好き」 「お腹すいたよ」 「不安だよ」 「なんだか泣きたくなっちゃった」など
たくさんの伝えたいことがあります。

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小さな子供も一緒です。
言葉は話せてもうまく伝えられません。
小学生も中学生も、子育て中の母親も、我々も一緒です。
たくさんの心があっても、迷いや恥ずかしさなどのたくさんの感情によって、
上手に人に伝えられないことはたくさんあります。

それに加えて、現在の社会自体、
愚痴をこぼしたり、弱音を吐いたり、泣いたりすることが
できにくくなっています。

『心のケア』、『天心』などは、
そういった心を、お互いにの通い合わせる手助けになるものです。
そして、お互いの心がつながった、幸せな関係を築いていきたいですね。

障がいのある方の心のケア8 ~筆談援助とは~

こんにちは、永井です。
前回までの障がいを持つ方の心のケアでは、
障がいを持つ方の心についてご説明しました。
今回は、心のケアの支援の一つの筆談についてお話しします。

『心のケア』とは、障がいを持った方との心のやり取りを通じて、
その方が、生き生きと自信を持って生きるための心のお手伝いをいいます。

と以前、書きました。
『筆談』とは、心のやり取りの方法の一つで、
援助者が、障がいのある方の手を取り、
心を支えることによって、
一緒に文字や描画などを描く技法を言います。

『筆談』は、ただ文字や描画を書くだけでなく、
彼らの心を知り、
そこから生まれる「やり取り」を、とても大切にします。

では、筆談の例をご紹介します。
私の息子のジョーが5年生のクラス替えの時、ちょっとイライラし、
物や人に八つ当たりしていた時期がありました。
その頃のジョーは、日常で意思伝達は大体言語を使えてました。
例えば、お昼ご飯の催促は、
「早く食べる。何食べる。ラーメン。一平ちゃん食べる」てな感じで、
一方的ですが、自分の言いたいことをバンバン言ってきます。
後は、言葉は独り言が多く、好きな場面をすっと言い続けています。
このように、パターン化した会話はできるのですが、本当に伝えたい、肝心なことは言えないようです。
例えば、今日悲しいことがあって聞いてほしいとか、
困ったことがあるので助けてほいいなど、
言えないだけじゃなくて、言葉が頭の中でごちゃごちゃになっているようです。

そこで、体のお話をした後、で筆談で聞いてみることにしました。

がっこうのことで、しんぱいなんです
母「何が心配?」
えんそくで みんなとおなじことができないです
だってみんなは きそくただしく なんでもできます
それにじょーは みんながやっていることがわかりません
母「保育園から小学校に入るとき、同じ思いをした?」
それはママがなんとかしようとしてくれたからジョーはあんしんしてました
ちがうんです だってじょーは5ねんせいになるんですから
母「ジョーにとって5年生って何?」
おとなになるとおもった
でも できないことがおおくて じしんがないんです
さいきん たくさんのいやなことがありました
それはがっこうで あたらしい1年がきたときに
先生が そっちばっかりいくんです
わかってるんだけど もやもやするんです
もやもやするきもちは すごくこまります
やつあたりしてしまいます


その時のジョーの心の中はこんな風だったようです。
ジョーは心を人に伝えられない代わりに、暴れてしまっていたようです。

ジョーは『お兄ちゃんになりたい』気持ちと、
『先生にかまってほしい子供の気持ち』
ほかにも、『みんなのようになりたいお兄ちゃんの気持ち』
など、いろんな気持ちを感じていました。
その後、『子どもの気持ち』を慰め、
『お兄ちゃんの気持ち』を手伝うよと約束しました。

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このように、『筆談』は、
コミュニケーションにハンディのある方の
『内面世界の表現のお手伝い』と、
それに伴う心のやり取りによって成り立っているんだなと感じます。

障がいのある方の心のケア7 ~こだわり行動・儀式的行動~

障がいを持つ方の心のケア6では、
心のコップについてご説明しました。
心のコップとは、人の心には、ストレスをためるコップがあって、
一定量たまってしまったら、最後の1滴でコップがあふれてしまい、
パニックや問題行動が起こってしまうというお話しでした。

ところで、障がいを持つ方の中では、こだわり行動や儀式的な行動が強い方がいらっしゃいますね。
こだわりは、その行為をするのが好きであるとか、
安心できるという理由があります。

ただ、あまりにもそのこだわりや儀式が、脅迫的(抑えようとしても抑えられない状態)であるとか、
日常生活に支障をきたすようでは、好きという理由だけではないかもしれません。

このような状態のときは、前回お話しした心のコップがいっぱいになり、
今まさに溢れようとしているかもしれません。
自分の気持ちを落ち着けようと、
一生懸命コップの水を減らそうとしているかもしれないです。

私の息子は、保育園に行っていたとき、道順にかなりこだわりがありました。
いつも緊張した面持ちで、少しでも違う道を行くと
車の中で大パニックが起きます。
自分の顔をひっかき、窓に頭を打ち付け、
火がついたように泣きます。
私は、その頃は、心の仕組みや心のケアについて知らなかったので、
ただただ、このかわいそうな息子が、自分自身を傷つけないようにと、
一生懸命配慮して、道順や手順を守ることに必死でした。

でも、息子の本心は道順にあるのではなく、
保育園で頑張っていることや、緊張して疲れていること、
親と離れて不安なこと、
そんな気持ちを、受け取ってもらいたかっただけだったのではないかと思います。

自分の心をわかってもらい、なぐさめてもらったり、支えてもらったりしたいけど、
伝える手段がなかった息子は、
なんとか自分で立て直そうと、
道順にこだわり、心を落ち着かせようとしていたんですね。
その自分で頑張ろうと必死で道順にこだわりを見せていたのに、
そのこだわりが守れなかったら、
心のコップは見事にあふれ、もう自分ではどうにもこうにもできなくなってしまいますね。

息子の話のように、
障がいを持つ方の、脅迫的なこだわりや儀式的行動は、
「なんとかして!」という、その人のSOSかもしれません。

そういった状態のときは、
見せかけの行動(脅迫的なこだわりや儀式的行動)に振り回されるのではなく、
本音の気持ちに寄り添ってあげるのが大切だなと感じています。

具体的には、寄り添ったり、体のお話をしたり、語りかけたり、筆談したりと、
たくさんの技法があります。

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障がいのある方の心のケア6 ~心のコップ~

こんにちは永井です。
前回の障がいのある方の心のケア5では、心の中にある、ストレスのコップについてご説明しました。
今日は、このコップについて、もう少し詳しく説明したいと思います。

障がいのある方の心のコップは、我々に比べて小さくて、すぐにあふれてしまうと説明しました。
では、なぜこの心のコップが小さいのでしょうか?

我々は、生まれたときから、この心のコップを持っています。
赤ちゃんの頃は、このコップはとても小さくて、
お腹がすいたらコップが溢れて泣き、おしっこをしては泣き、
扱ったり寂しかったら泣きと、小さなコップを何度も溢れさせます。

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コップがあふれたときはお母さんが来てくれ、
抱っこしてくれたり、おっぱいをくれたり、おむつを替えたりしてくれます。
そこで赤ちゃんは、お母さんからもらう安心感や、
「自分がここにいていいんだ」という自己肯定感がどんどんふくらんでいきます。
この安心感や自己肯定感は、コップを大きくしていきます。
だから、少しずつ、泣いてコップがあふれる回数が減ってきます。

少し大きくなってくると、幼稚園に行きます。
幼稚園はとても緊張しますが、お母さんから離れて、
先生やお友達と一緒にお遊戯したり、お弁当を食べたりと、
お母さんや周りの人に支えられながら、頑張り、
一つづつできることが増えていき、自信が付いていきます。
この自信は、またコップを置きくします。

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小学校になると、勉強が始まり、
今までチャレンジしたこともない課題を、どんどんやっていきます。
友達とともに、運動会や遠足、たくさんの行事を頑張ります。
こうして、自己達成感や喜びを味わっていきます。
そこでまた、コップが大きくなっていきます。
中学校や高校もそうやって、どんどん、達成感や自信をつけていきながら、
コップの容量を増やしていくのです。

ですが、障がいを持つ子供はまず小さいころから、親とのコミュニケーションを上手に取れないことがあります。
よく自閉症の子供では、「手のかからない子だった」といわれるように、
母を求めるのが苦手な子供がいます。
また、ダウン症の子供は、泣く力がもともと弱い子が多く、
うまく感情表現ができない子がいます。
そこで、コップを大きくさせにくいんです。
そして、幼稚園・小学校と、年が上がるにつれ、
できないことがはっきりしてきます。
みんなはできることが自分にはできない。
それは、とてもつらいことで、なかなか、みんなのようにコップを大きくすることができません。

また、そんな自分を見る周囲の目や、親を悲しませてしまう自分に対して、
『自分なんかいない方がいいんだ』なんて言う自己否定が入ってくると、
ますます、コップは大きくなりません。

そんな風に、障がいを持つ人は、小さなころからの生きにくさが、
コップの成長を妨げてしまうことがあるんです。

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ですが、この心のコップは、どんなに重い障がいを持っていても、大きくすることができるんです。
それは、たくさんのことを頑張って、達成感を味わったり、
心のケアなどの支援で、心が癒され、自己肯定感が育ってきたりすると、
このコップは大きくなってきます。

心のケアを続けていると、
「最近パニックを起こさなくなってきた」という声をよく聞きます。
これは、徐々にですが、コップが広がってきているからなんです。

つまり心のケアは、心のコップを大きくすることも、目的の一つといえます。

障がいのある方の心のケア5 ~パニック・問題行動とは~

こんにちは、永井です。
前回の「障害のある方の心のケア」では、
【見せかけの行動と心の中】のお話をしました。

彼らの行う行動と、本音である心の中は、
少し違うことがあるんだよという説明をしました。

では、「でも、どれほど心の中でいろいろ思っていても、急に爆発したようなパニックはなぜ起こるの?」
という疑問を持たれる方もあるのではないでしょうか?
今日は、そのパニックや、問題行動と呼ばれるものについてご説明します。

我々の心の中には、『ストレスのコップ』というものがあるとします。
我々は、日常生活をしていると、いろいろなストレスがたまりますよね。
それが下の図のようなものだと考えてください。

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例えば、急な仕事に追われ、今までやっていた仕事を置いといてしなくてはいけない。
でも、それが終われば、いつもの大事な仕事もしなくてはいけない。
家に帰れるのはいつなのか…同僚は楽しそうに帰っていく…
何で私だけこんなに大変なの・・
なんて状況になると、どうしてもストレスは、どんどん入ってきますよね。

でも、私たちの「ストレスのコップ」には、蛇口がついてるんです。
へとへとに疲れて帰ってきて、旦那に愚痴をこぼす。友達に電話する。
おいしいものを食べたり、感動する映画を見る。
そんなことをしながら、今日たまったストレスを、蛇口から流しだすことができます。
そうしたら、「ストレスのコップ」は、大分隙間が空いて、またたくさんのストレスを溜めることができます。

でも、もし、家に帰っても子供がワーワー騒いでて、
旦那は家に帰ってこない、自分一人で家でもあたふたと大忙しで、
一息つく間もなかったらどうでしょう?
「ストレスのコップ」の蛇口を、開けることもできずにどんどんストレスはコップにたまっていき、
最後の一滴、
そうですね、例えば、やっと子供を寝かしつけてほっとしたところに、
お酒のにおいをぷんぷんさせて、楽しそうに旦那が帰ってきたらどうでしょう?

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「ストレスのコップ」から、ストレスがドバ~と溢れ出してしまいますよね。
「あなた、今何時だと思っているの!?あなたは仕事だけかもしれないけど、
私だって仕事しているのよ!大体あなた結婚するときはあんなに協力するって言ったじゃない!
こないだだって・・・・!」と、今まで心に溜めていたものが、
どんどん流れ出しますね。
こうなったら、もうだれにも止められない。
途中で、やめなきゃと思ってももう無理な状態です…

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障がいの持つ方の心も、全く同じです。
「ストレスのコップ」にストレスをたくさんため、
何かの拍子にそのコップからストレスがあふれてしまう。
それがパニックや、問題行動と呼ばれるものです。

ストレスのコップが最後の一滴であふれてしまったら、
感情の爆発が起きます。
自分をたたいてしまったり、大声で叫んだり物を投げたりと、
心も体も思い通りにならなくなります。
そうなったら、どんどん感情が流れ出し、自分では、もう、止めることができなくなってしまいます。
でも、周囲を困らせていることは分かります。
でも、どうしても止まらない。
しばらくストレスを出したらおさまってきますが、
周りに迷惑をかけたり、悲しませたり、怖がらせたことは分かる。
そして自己嫌悪に陥り、ますますストレスのコップにストレスがたまる。
そしてまたパニックを起こしてしまう。

障がいのある方のパニックや問題行動は、こんな風になっているんです。

ここで、障害のある方と我々のコップの違いは、
まず、彼らのストレスのコップは、とても小さい方が多いです。
同じストレスの量が入っても、我々はまだまだ溜め込めるスペースがあっても、
彼らは、コップ自体が小さいため、
少しの量でも溢れてしまうことがあります。

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また、ストレスを出す蛇口が、とても細くてなかなかストレスを出すことができない方も多いです。
我々は、好きなことを好きな時間に、好きな人と行うことができます。
ですが、障害のある方は、自分で選択して行動することに制限が多く、
また、言語コミュニケーションが苦手な方が多いため、
誰かに愚痴をこぼして、慰めてもらうことが苦手です。
そのため、どうしても、ストレスをため込みやすくなってしまいます。
プロフィール

handesapo

Author:handesapo
ハンデ♡サポは、ハンディキャップ・サポート・ネットワークの略で、
障がいを持つ方が、自分らしく、生き生きと暮らすために必要な、障がいを持つ方への心の援助の提供や、障がいを持つ方と関わっている方への対人援助技術の普及を行っています。
その活動によって、障がいを持つ方が大事な一人の人間として理解され、尊ばれ、大切にされる社会づくりを目指しています。

ハンデ♡サポでは、以下の4つの活動を行っていきます。

1、 障がいを持つ方のカウンセリング(心のケア)を行います。
2、 対人援助技術(心のケア)の普及活動を行います。
3、 療育事業(教育・能力向上)を行います。
4、 セラピー・教室などで趣味・生きがいつくりをめざします。

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