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心のケアの話4  ~何とかしてあげなくちゃ~

福祉職員が、
障がいのある方の支援をするとき、
いつも考えることは、
『何とかしてあげなくちゃ』
では、ありませんか?

例えば、

楽しませてあげなくちゃ

落ち着いて過ごせるようにしてあげなくちゃ

この作業ができるようにしてあげなくちゃ

ごはんがこの量食べれるようにしてあげなくちゃ

ダイエットできなくちゃ

等々、
何とかしなくちゃのオンパレードではありませんか?

もちろん、
それでお給料をいただいているのだから、
支援をするのは当たり前。
なのかもしれませんが…

今日のお話しは、
そんな一生懸命頑張る
支援者の方の話です。


     


新人職員のRさんは、
Bさん担当です。

Bさんは、
たいくつになると、
靴をほったり、
壁をたたいたりと、にぎやかです。

新人のRさんは、
なんとかその行動を無くそうと、
一生懸命です。

時間の工夫をしてみたり、
レクリエーションの工夫をしてみたり、
シールを使った達成表を作ってみたりと、
一生懸命Bさんへアプローチします。

でも肝心のBさんは、
Rさんの目を盗んでは、
にぎやかな行動を。

日々の頑張りに、とうとう、
くじけそうに…

「私、うまく支援できなくて…
嫌われているんです…」

新人Rさんの言葉に、
先輩は、
「じゃあ、本人に聞いてみようよ」
と、
カウンセリングの時間を作りました。

一通り、
今の苦しさなどを聞いた後、
先輩がBさんに
「ところで、Rさんが、
Bさんと仲良くなれないって、
悲しんでいるんだけど」
と聞いてみました。

Bさんは、言葉を使ったお話しができないので、
筆談援助を使って気持ちを聞いてみました。


『Rさんと仲良くなりたい
うまくできなくてごめんね』


Bさんが筆談援助で伝えた気持ちは、
新人Rさんと、
一緒でした!

お互い、
うまくできなきなくて、
悪いな~と
思っていたんですね。

『何とかしてあげなきゃ』
っていう気持ちは、
とても相手を思って、
一生懸命で、
一途な気持ちで、
とても素敵です。

ですが、
ちょっと立ち止まって、
私のこの気持ちに、
相手がどう感じているんだろうと、
相手の心に、心を澄ませると、
相手の一途な素敵な気持ちも見えてきます。


そうしたら、
もっと、心が楽に楽しくなります。

すると、もっとたくさんのことが
見えてくるようになるかもしれません。

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心のケアの話3 ~問題行動改善に向かった事例~

前回は、
心のケアの効果として、
『障がいを持つ方が楽になります』
『援助者、親が楽になります』

というお話をしました。


楽になるというのは、
心にゆとりが生まれます。

心のゆとりは、
相手を思いやる
気持ちの余裕ができます。

それによって、
もっとお互い気分の良い関係が、
作られていきます。


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次は、
そういった事例を紹介します。

Lさんは、通所施設に通われていて、
こだわりや、
儀式的行動がとても強く見られる方でした。
また、緊張場面になると、
パニック状態になったり、
自分の手を噛んだり、
相手を殴ったりしてしまいました。

なので、
職員はその方の対応を、
とても慎重にしていました。

視覚支援が有効な方だったので、
スケジュール提示や、
指示書などの使用、
構造化などはばっちり役に立っていました。

ですが、
スケジュールが変更した場合や、
ご本人が嫌いなこと(通院や嫌なレク)などの時には、
とっても慎重に、
顔色をうかがいながら、
提示します。

だけど、やっぱり嫌なものは嫌。
「い~!!」となったり
「わ~!!」となったりします。
(なんだかわからない表現ですが・・)

このままでは、Lさんと
仲良くなれない、
もっといい支援がしたいと、
心のケアのカウンセリングを行っていました。

カウンセリングは、
とっても大変でした。

実は、
自分の手を噛んだり、
相手をたたいてしまうということは、
すごく苦しい気持ちを、
常に心に溜めて、
一人で我慢して、
我慢して、
そして溢れてしまった、
とっさの行動なのです。

なので、
Lさんの心の中には、
苦しい気持ちが、
とってもたくさん渦巻いていました。

今まで、
一人ぼっちで我慢して、
心にふたをしていたのに、
カウンセリングでその蓋を緩めたもんだから、
苦しい気持ちが、
どんどんあふれてきます。

「自分がちゃんとできない苦しさ。
本当は、みんなのように
共に活動に参加したい気持ち。」

そんな気持ちがどんどんあふれてきます。

Lさんの、
その苦しさを、
職員たちは受け止め、
慰め、
励まし、
支えました。

すごく大変だったのですが、
それと同時に、
こんな苦しさを抱えていたんだということを、
知れる喜びも大きかったんです。

そして、カウンセリングが終わった後、
お互いゆったりとした時間を過ごせました。

その時の感覚は、
職員はLさんを愛おしく感じ、
Lさんは職員に、
優しい視線を投げ、
そばに寄ってほしいと伝えました。

まだ、胸のざわざわが残っていそうでしたが、
そんな風に、
カウンセリングを何度か繰り返しました。

それによって、
Lさん自身が表現がとても上手になってきました。
今まで、パニックという形でしか、
表現できなかったことを、
職員の周りをうろつく、
声をかける、
という行動で伝えてくれるようになりました。

苦手な活動も、
職員の姿が見えると、
頑張れるようになりました。

また、職員も、
Lさんの行動で、
Lさんの心を理解できたり、
Lさんの気持ちに寄り添い、
支えることができるようになり、
職員が自信を持って、
Lさんの支援に当たれるようになりました。

心のケアは、
治療ではないので、
1回カウンセリングをしたら、
問題行動がなくなるというわけにはいきません。

ですが、
お互いを大切にする関係を築きながら、
確実に、
お互いが嬉しいと感じる方向に、
向かっていけます。

Lさんの事例は、
そんな心のケアの素敵さを、
じっくりと教えてくれた出来事でした。






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心のケアの話2 ~何のために心のケアをするの?~

前回は、
心のケアのカウンセリングでは、
行動の裏側にある気持ち知り、
その方の心に、
共感していきます、という話をしました。

心のケアでは、
このように、
障がいを持つ方の心を大切にし、
お互いの心を繋げ、
手を添えることによって、
その方が、
豊かな人生を送れるようなお手伝いをします。

言い換えれば、
心のケアとは、
障がいのある方の
存在そのものを大切にした、
心理的な援助方法のこと
だといえます。

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「心のケアは、
何がいいの?」
と聞かれると、


まず第1に、
障がいを持つ方が楽になります

見せかけの行動の裏には、
本当に伝えたいことや
本当はこうしたいという気持ちが
隠れています。

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本当は、ちゃんとそれを
伝えられたらいいのですが、
障がいを持つ方は、
上手に伝えられず、
我々が感じる、
見せかけの行動である
『問題行動』として
表現してしまうことがあります。

その気持ちを援助者が支えることで、
とても楽になり、
見せかけの行動をする必要が少なくなります。

例えば、
入所施設にいるYさんは
水をどんどん飲んでしまう。
止めようが、
ほかに気をそらせようとしようが、
何とかして飲もうとします。
生命の危険を感じるほどに、
水分を多量に飲んでしまう方に、
心のケアを取り入れてみたところ、
本当は、
『水を飲みたい』
よりも、
『会えないお母さんが心配』
気持ちが心を占めていました。
そこで、その気持ちに寄り添い、
慰め、癒しの時間を持ったところ、
水飲みが激減しました。
もちろん、
日々の支援者の
心の支援の継続のたまものですが!

水を飲んで、
心を紛らわす必要がなくなるのは、
Yさんにとって
かなり楽になったようです。


そして、もう一つ心のケアが、
もたらす効果として、
支援者や親が楽になります。

援助者や親が一番困るのは、
どうしてあげたら、
いいのかわからない、
何を感じて、
何を考えているのか知りたい、
といことではないでしょうか?

心のケアを継続していくと、
どんどん心のつながりが
深くなっていくため、
相手の行動から、
今の気持ちがわかるようになってきます。

そして、どんなふうに接すると、
良いのかの技術がついてきます。

そうすると、
もし今まで、
『パニックを起こしたらどうしよう・・』
だとか、
『どうしたらいいかわからない・・』
と感じていたことが、
普通の人間関係と同じように、
スムーズにできるようになります。
(もちろん、知識・技術をフル活用する必要がありますが)

そうなったら、
障がいを持つ方とのかかわりが、
楽しく、充実したものになります。


また、親御さんなら、
わが子がとってもかわいらしく、
いとおしく感じます。

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心のケアは、
もっとたくさんの効果があるなと実感していますが、
ゆっくりとお伝えしていければと思っています。











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心のケアの話 ~見せかけの行動の裏にある本音~

前回は、
見せかけの行動と、
その裏にある本当の気持ちは、
とてもギャップがあり、
そのギャップを埋めるために
心のケアの技法が役に立ちます、
というお話をしました。


障がいを持つ方の支援を行うとき、
まず大切なのは、
【見せかけの行動】に
惑わされないことかな~と感じます。

障がいを持つ方は、
飛んだり、跳ねたり、大声を出したり、
しゃべりだしたら止まらないなど、
派手な行動をとられる方が多いです。


ですが、
その派手な行動の裏側には、
何らかの、
切実な気持ちが隠れていることが、
よくあります。

派手な行動


心のケアのカウンセリングでは、
その裏側にある気持ちに働きかけていきます。

まずはしっかりと気持ちを聞いて、
ありのままの、
その方の心に、
共感していきます。

     

Yさんは、よくしゃべる女性の方です。

いつもなら、
とてもよくしゃべり、
職員と一緒にはしゃぐのに、
その日は、体が固まったように、
動きません。

職員は心配になり、
Yさんのそばに行って、
そっと背中に手を添えて、
語りかけます。

「どうしたの?何か嫌なことがあったの?」
Yさんは固まったままで、
身動き一つとりません。
あれかな、これかなと、
声をかけて見ますが、
反応はいまいち。

そこに、ほかの職員が通りかかり、
「Yさん、利用者のQさんと喧嘩したみたいよ」
と教えてくれまいた。

「そうだったんだ。
いつも仲のいい、Qさんと喧嘩したんだ」
その言葉に、少し肩の力が入ります。

「それはつらかったね。
嫌われたらどうしようなんて考えて、
不安だったのかな?」

Yさんの目から涙がこぼれました。

・・・これだ!
・・・固まっている原因は。


「そうだよね。
そりゃつらいよ。
はやく仲直りしたいよね。」

Yさんの気持ちと思われる言葉を、
代わりに代弁すると、
ますます涙があふれてきます。

体をぴったりとくっつけて、
Yさんの心に共感を深めていきました。

しばらく泣くと、
Yさんは顔をあげました。

その顔は、すっきりとした、
何ともいい感じです。

気持ちを共感してもらうだけで、
今まで心を閉めていた、
暗い雨雲のような感情が、
晴れたのが、よくわかりました。


気持ちを受け止めて、共感する。
お互いに、
とっても素敵な気分になれますよ






次回に続きます




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障がいのある方の心のケア22 ~共感3~

前回に引き続き、
共感のお話をします。

私の息子Jは、自閉症という障害を持っています。

小さなころから、
音に敏感で、苦手な音が多く、
いつも耳を押さえて音から逃げているような子でした。

そんな状態なので、
小学校のころは、全く通級学級に行けず、
ずっと支援学級で過ごしていました。

ですが、3年前、中学校に入学しました。
これは、本人が、
『みんなと同じ、兄弟と同じ学校に行く』
という強い意志を持っていたので、
実現しました。

ですが、私としては、
こんな障害の重い子が、
中学校になんて通ったら、
かわいそう…
絶対いじめられるんじゃないかな…
と、心配で、
支援学校(障害者のみの学校)への進学を
希望していました。

Jは、中学校で、
とても、とても頑張りました。
じっと座れたことがないのに、椅子に座って勉強し、
ノートを取り、
事業中は黙る。

あたりまえのことなのですが、
そんなこと、小学校ではしたことがありません。

最初こそ、
頑張りに堪えきれず、あふれてしまって、
パニック状態になったことがありましたが、
先生と、本人の必死の努力で、
みんなとともに過ごせる時間がどんどん増えました。

本当にすごい、
自慢の息子です。

ですが、私は、
あまり良い母ではありませんでした。

何かにつけて、
「やっぱり中学校は無理なんじゃないの?
支援学校に変われるよ。」
と、つい言ってしまいます。

入学して、夏休み前くらいだったと思います。

最近Jは、イライラするな~と感じていました。
へたくそな日本語で、
何かすぐにごちゃごちゃ言ってきます。

ある日、
Jに、話を聞いてみることにしました。
Jは、短い言葉などは話せるのですが、
自分の気持ちなどは、
表現できません。

そこで、筆談を使って、
Jに、気持ちを聞きました。

Jの筆談です。

『お母さんは、僕が
中学校に行くのはいやなの?
僕は頑張りたい。
お母さんは、ただ応援していて。』

という内容を書きました。

私はただただ心配なだけなのに…
こんなにJを苦しめていたのか…

と、自分を責めそうになりましたが、
その気持ちはちょっと置いておいて、
その時は、

「そうなんだ。
Jは頑張りたいんだね。
お母さんに応援してほしいんだね。」

と、Jの気持ちを繰り返し、
体をぴったりとくっつけて寄り添いながら、
Jのいじらしい思いを味わいました。

しばらくすると、
つらそうな顔をしていたJは、
すっきりした良い笑顔になりました。

そして、それからも、
とても頑張り、
少しずつですが、
できることが増えていきました。

Jの思いに対して、
自分を責めるわけでもなく、
何かを訴えるわけでもなく、
説得するわけでもなく、
ただ、彼の気持ちに寄り添い、共感する。

それだけで、Jは、
頑張れるんだな。
前に向かって進めるんだなと、
実感した出来事でした。

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プロフィール

NPO法人Cheri

Author:NPO法人Cheri
NPO法人Cheri(シェリィ)は、支援が必要な高齢者や障がい者の方々が、生き生きと自分らし生活が送れるように、個人の尊厳と心を尊重した福祉サービスの提供や心の支援を行います。

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