FC2ブログ

心の理解4 ~見せかけの行動~

前回は、
心の中と違う表面に現れた行動を、
我々は、
【見せかけの行動】と呼んでいるというお話をしました。


見せかけの行動はとても厄介です。
だって、本当に分かりにくいからです。

例えば、初めて会った人と目が合うと
叩いてしまう女性で、
Sさんという人がいます。

周りの職員は、
「この人は、他害が強い、きをつけて。」
「強度行動障害を持つ方なので、慣れた人しかかかわらないで」

という風に、
Sさんに、危険という『レッテル』を張ります。

『レッテル』はついて回ります。

あたかも、その人全体、
その人そのものが、
危険という存在になってしまいます。

そうなってしまったら、
その方の感じていること、
想い、やりたいこと、
輝いていることなどは、
まるで初めからないかのように、
扱ってしまうことがあります。

どうやったら落ち着いて過ごせるか、
どうやったら他害を防げるか、
どうやったら…・


と、Sさんの行動にのみ、
職員の気持ちや対応が集中し、
本来大切な存在であるはずのSさん自身は、
置いてきぼりになりがちです。
(私も昔はそうでした…)

そこで、Sさんのカウンセリングを行い、
気持ちを聞いてみると、

『初めての人と仲良くなりたい。
なのに、ドキドキして、緊張してしまう。』


と、伝えられました。
それを聞いて、

仲良くなりたい!?
え!?
そうなの?

という感じでした。

我々は、てっきり怖いんだろうな~とか、
慣れない人が近づくと嫌なんだろうな~
程度の予測だったので、
まさか、『仲良くなりたい』なんて思っているとは、
考えませんでした。

でも、これこそが、
《見せかけの行動》と、《心の中》が
違うんだということなんですね。


この、見せかけの行動の奥にある、
Sさんの《心の中》に触れると、
今まで貼っていた、
『レッテル』は、
なんだか違うよな~という気がします。

『強度行動障害で、慣れた職員しか対応してはいけない』
という考えより、
むしろ、
『とても人と仲良くなりたいけど、
緊張してできないから、
仲良くなるためのに、
慣れた職員のお手伝いが必要な人』
がぴったりきますよね。


厄介な見せかけの行動と、
とってもいじらしい彼らの心のギャップを埋めるもの。

それが心のケアの技術になります。

img020.jpg




ハンデ♡サポ ホームページ

ハンデ♡サポのfacebookグループ
知的障害者の心のケアのサポーター『learn ラーン』をよろしく。

参加は、facebookで『永井由希』を検索してくださるか、
boti-boti-ikoka@happy.zaq.jpにメールください。
ちょっと、仲間とつながりたいというあなた!!
よろしくお願いします。

心の理解3 ~心と行動~

Fさんは自閉症の女性の方です。

ある朝、職員が自宅へ迎えに行くと、
大事なペットのかめを、
壁に投げつけて、
亀の甲羅がかけてしまいました。

職員はびっくり

だって、Fさんは、
カメをとっても大切にしていたのですから。
 
後からお母さんから話を聞くと、
Fさんのお母さんは、
しばらく体調が悪く、
寝込んでいました


この話を聞いて、
皆さん、どう思われますか?

『カメの世話をしたくない?』
『お母さんが寝ているから、目を引きたかった?』
『職員の対応が悪かった?』
『なんだかむしゃくしゃしていた?』


などと、いろいろ考えが浮かんでくるのではないでしょうか?

この後、施設について、
カウンセリングの時間を持って、
ゆっくり聞いてみると、
『お母さんが、心配。
しんだらどうしよう・・・』
と、伝えられました。

『お母さんが心配』がなぜ、『カメを投げつける』につながるのか。
皆さん不思議に思われるのではないでしょうか?

これこそが、
障がいを持った方の、本当の困ってしまうところなんだろうなと、
私は、いつも感じます。

心配なら、「お母さん大丈夫?」と、
お母さんの横に行って、伝えられ、
お互いの愛情を確かめ合えれば、
すべてがうまくいくのですが、
障がいを持っている方の中には、
自分の意志や欲求を、
そうとわかるように表現するのが、
とても苦手な方が多いのです。

そして、伝えられないがために、
その気持ちは自分の中だけで膨れ上がり、
その膨れ上がった、気持ちによって、
体のコントロールが利かなくなり、
本当はしたくないこと
(Fさんの場合、カメを痛めつける)という
行動をとってしまうことがあります。

我々は、通常表面に現れる行動や行為、表情などによって、
相手の内面にある気持ちを判断するので、
障がいを持つ方は、
とても誤解されやすいのです。

このような心の中と違う表面に現れた行動を、
我々は、
【見せかけの行動】と呼んでいます。

img018 - コピー (2)



次回に続きます



ハンデ♡サポ ホームページ

ハンデ♡サポのfacebookグループ
知的障害者の心のケアのサポーター『learn ラーン』をよろしく。

参加は、facebookで『永井由希』を検索してくださるか、
boti-boti-ikoka@happy.zaq.jpにメールください。
ちょっと、仲間とつながりたいというあなた!!
よろしくお願いします。

テーマ : メンタルヘルス・心理学
ジャンル : 心と身体

心の理解2 ~障がいを持つ人の苦しさ~

前回は、どんなに見かけではわからなくても、
障がいのある方の心の中には、
自分を責めたり、
自信を無くしたりする気持ちがあるんです、
というお話を描きました。

障がいのある方には、
もともと、誰もが生きていくうえで抱える苦しさに加えて、
このような苦しさを持っています。

1、障がい、そのものからくる苦しさ

2、社会の差別、偏見からくる苦しさ

3、家族の苦悩からくる苦しさ


どのようなものかを説明する際、
私の自閉症の息子を例にとってみますね。

40006201_35W.jpg

1、障がい、そのものからくる苦しさ

まず、どんなに努力しても、除くことができない
障がい特性からくる苦しさがあります。

私の息子は、小さなころから人の声や機械音が苦手でした。
特に、みんなで声を合わせる
『おはようございます』『いただきます』
などの音は、聞いてしまうと、
パニックの大混乱になるため、
いつも耳をふさいで
苦しそうな顔をしていました。

これは、どんなに努力しても、
改善できない息子の障がいからくる苦しさです。


2、社会の差別、偏見からくる苦しさ

学校や社会からの疎外による苦しさです。

息子は幼稚園の時、
みんなと同じことができなくて、
1年で、ほかに変わってくれと言われました。
幼稚園自体は、本当に息子に親身に頑張ってくれたのですが、
息子の状態を受け入れることは、
やはり困難でした。
差別・偏見というよりは、
みんなと同じじゃないということに、
敏感に反応する小社会があり、
それに触れると、障がいを持つ人は、
やはり苦しんだり、悲しんだりすることが多いと感じます。


3、家族の苦悩からくる苦しさ

自分のために家族を悲しませている、
苦しませているために生じる苦しさを言います。

幼稚園をやめてほしいといわれたとき、
私はとっても悲しかったのを覚えています。
嘆き、途方に暮れていましたが、
その様子を見て一番苦しかったのは、
息子だったと思います。
『自分のせいで、大好きなママが苦しんでいる』
という苦しさは、
障がいを持つ方がたは、
いろいろなことで感じています。


障がいを持っていない人でも、
両親が不仲だったり、仕事が大変だったり、
仲の良い人と喧嘩したりと、
生活の中の出来事において、
苦しさを抱えますが、
障がいを持つ人は、そのような苦しさに加えて、
上の3つの苦しさが、
常に、彼らを苦しめています。

そんな風に、彼らの心の底には、
いつも苦しさが隠れているので、
なかなか、
自己肯定感や
自信を持つことが難しいのです。


ハンデ♡サポ ホームページ

ハンデ♡サポのfacebookグループ
知的障害者の心のケアのサポーター『learn ラーン』をよろしく。

参加は、facebookで『永井由希』を検索してくださるか、
boti-boti-ikoka@happy.zaq.jpにメールください。
ちょっと、仲間とつながりたいというあなた!!
よろしくお願いします。

テーマ : メンタルヘルス・心理学
ジャンル : 心と身体

心の理解1 ~自分を責めたくなる気持ち~

前回は、共感の話をしました。
 (前回見るのはこちら⇒前回ブログ

その中で、我が家の息子Jの中学校への思いと、
私の思いが違い、
息子が苦しんでいた話をしました。

頑張っている息子を応援せず、
つい自分の安心な方向へと導こうとしていた。

なぜ、息子を応援できないのか…
自分は子供を愛していないのか…
なんてできの悪い母親なんだろう…
子供がかわいそう…

自分を責める言葉なんて、
いくらでも出てくるし、
それで自信をなくすこともたくさんできます。

    



でも実は、
障がいのある方も、
全く一緒なんです。

独り言を呪文のように唱えながら歩いたり、
ぴょんぴょん飛び跳ねたり、
いつも無表情だったりしている方も、
見ている限りでは、
自分を責めたり、
自信を無くしたりしているようには見えないかもしれません。

でも、彼らの心にも、
私たちと同じように、
いえ、それ以上に、
自分を責めてしまう暗闇のような気持ちが、
胸を占領していることがあるんです。

次回は、
そんなふうに、
胸を占領してしまう気持ちについて
書かせていただきます。

171.jpg



ハンデサポ ホームページ






テーマ : メンタルヘルス・心理学
ジャンル : 心と身体

プロフィール

NPO法人Cheri

Author:NPO法人Cheri
NPO法人Cheri(シェリィ)は、支援が必要な高齢者や障がい者の方々が、生き生きと自分らし生活が送れるように、個人の尊厳と心を尊重した福祉サービスの提供や心の支援を行います。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR